理学療法士Aのつぶやき アダム・スミスと医療と奉仕
今回はアダム・スミスの『国富論』を読んで思ったことがあるので話していこうと思います。
『国富論』の一部分を簡単に説明すると、市場経済において、各個人が自己の利益を追求すれば、経済は回っていくとされています。
簡単な例で挙げるなら、飲食店が味やサービスを向上させるのは、無償の愛やボランティアなどではなく利益を追求するためです。
そうやって利益を追求して、他社と切磋琢磨する事で市場全体の質が向上して経済がうまく回っていくわけです。
医療の理念には、自己の利益を求めず奉仕をする。といった様な内容があります。
たしかに世の中の人に奉仕をする人が増えれば、助かる人が増えると思います。
しかし、奉仕やボランティアだけで、利益を求めないのでは病院など医療機関は経営できなくなります。
逆に、利益を得ようとするからこそ、他よりも質のいい医療を、他よりもいいサービスをとやる気を出し努力すると思うのです。
医療において、奉仕の精神は必要とは思いますが、それだけでは医療は成り立たないでしょう。
奉仕の精神と同時に自己の利益の追求による質や技術、サービスの向上も必要だと感じました。